あなたがいたから、幸せでした。


俺は。

こんなに優しい優夏が。


〝好き〟なんだ。


初めは認めていなかったけど。

優夏の事が。


優夏はその名の通りだな、と思う。

優夏っていうのは、

〝優しい〟と〝夏〟っていう意味だろ?

だとしたら優夏は本当に、

優しい夏、だ。

優しい夏風を送り込んで来てくれる、

〝優しい夏〟だ。


「拓馬・・・。」


優夏がこっちを真っ直ぐ見る。


何かを悟っているような目。

ダメだよ、優夏。

これ以上俺を見たらいけない。

あっちを向いてくれ。

そうじゃないと俺は。

病気の事がバレそうで怖いんだ。






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