あなたがいたから、幸せでした。



「ねぇ、知ってる?」


・・・?


「あのね。

何でも願いの叶う花が

この世の果てにあるらしいの。

でも、誰もこの世の果ては知らない。

第一、この世の果てが何なのか、

分かっている人はいないもの。」


突然何を言い出すのかと思えば、

そんな話だった。

だけどそれは、興味のそそられる話。


「その花の色は、

深い、深い白色なんだって。

〝深い、深い白〟なんて、

私は見た事ないんだけどね。

でも、いつも想像するの。

世界の果てという場所に、

その真っ白で綺麗な純白の花を。」


何でそんな話を俺にするんだ?






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