あなたがいたから、幸せでした。
「ほらっ、拓馬も想像してみて。
真っ白で、綺麗な花を。」
言われた通り、俺は想像した。
真っ白で綺麗な花を。
目をしっかり閉じて。
それは人がけっして住んでいないような、
幻想的な場所。
そこに1つだけ咲いている、
あの花。
それは、大きくて
言うなればボタンのような花。
パッと目を開けると、
彼女が笑みを浮かべてこちらを見ていた。
「どう?綺麗だったでしょ。」
「ああ。
ボタンみたいに大きな花で、誰1人と住んでいないような所に咲いていた。
綺麗だったよ。
すっごく白くて。」
俺がそう言うと、
優夏は驚いた顔をした。