あなたがいたから、幸せでした。


死にたくない


そう思う事は、正しいのか?


いっその事死んだ方が楽になれると思う。

だってそーでしょ。

こんな苦しみから逃げるには、

〝死ぬ〟事しかできない。


「・・・いなくならないでね。

どこかに消えてしまいそうで怖いの。

とくに最近の拓馬は。

私に教えてくれたでしょ?

〝生きろ〟って。拓馬、私・・・」


優夏が突然話し始めた。

優夏は俺の病気に勘付いてるんだな。

俺の病気がどれほどのものなのか

分かんねーとは思うけど、

きっと優夏は俺が・・・


「拓馬がいなくなっちゃいそうで、怖いの––––––・・・」


〝死んでしまう〟と勘付いている。






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