あなたがいたから、幸せでした。


えっと、誰の声だったかな?

私の頭は、

夢の中ではフル回転できないらしい。

思い出せない。

でもこの声は、私の知っている声で。

どうしてだか記憶に残っている声。

テノールボイスの、男の子。

あぁ、誰だっけ?


とりあえず私は返事をする。


『は~い!あなたは誰ですか?』


そう言った私の声は、

明らかに不安混じりで。

緊張して、喉が少しつっかえる。

こんな時に、どうして。

焦る私とは対照的に、

冷静に見つめる私。

あ、この感じ。

私が2人いるような。

やっぱり前も、ここに来たのね。

そう思ってる私は冷静な私。





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