あなたがいたから、幸せでした。
あぁ、ここがとても素晴らしい所だったら。
無人の地で、綺麗な花々が芽吹いていたら。
なにより、〝願いの叶う花〟があったら。
そうよ。
あの深い真っ白な色の花。
あれさえあれば。
私は辺りの風景が変わった事に気付く。
さっきとは打って違って、
ついさっき私が想像した世界。
綺麗で、近くを流れる穏やかな小川に
心を寄せる。
サラサラと流れて行くそれは、
とても綺麗で私の心をくすぶった。
あぁ。
辺り一面、あの大きなボタンのような白い花が咲き乱れているわ。
少ししてから声がした。
『おーい、何だかさっきとまるで違うぞ?』