あなたがいたから、幸せでした。
私はとりあえず拓馬のために救急車を呼んだ。
拓馬の疲れたような荒い息が伝わってくる。
拓馬は、はい、と言って私に手紙を渡してきた。
「な、何これ!?」
「おれが、しぬ、まであ、ける、な」
おれがしぬまであけるな?
俺が死ぬまで開けるな?
拓馬、まさか死ぬ気!?
「拓馬っ、ダメ!
拓馬は何としてでも生きるのっ!!」
私の声も今は届いているのか分からない。
「倒れた方は!?」
急に入って来た救急隊員。
「こちらですね!?」
そう言うといそいそと担架に乗せて運んでいった。
私はただ後ろをついて行くだけ。