あなたがいたから、幸せでした。
「た・・・拓馬!?」
突然の大きな声に驚いたものの、
俺は冷静だった。
優夏に、
心配させて悪かったな、
と言おうとした。
だが、俺は酸素マスクがしてあるのに気づいた。
これじゃあ話せないし。
どうしろって言うんだ?
「拓馬君、一命は取り留めたようだけど、
死期が迫っている。
延命治療、断ったそうじゃないか。
どうしてだね?」
ヒュー、ヒューと息をしながら、
母さんに話させるように顔をやった。
「あぁ、私が話します。
拓馬は延命治療までして、
生き長らえたくはないんです。」