あなたがいたから、幸せでした。
10年後〈side優夏〉
10年後––––––・・・
「ドクター!
新しい患者です!」
「えぇ、分かったわ。
オペの用意を急いで!」
「はい!」
私は今、心臓を主に診る医者になった。
毎日毎日、ドクターと呼ばれている。
あの日から7年も経って、
24歳で医者になれた。
そして3年経ち、今の私がある。
拓馬はいなくなった。
あの日を境に。
心臓が弱くて、
肺にまで血液が回らなくなっていた。
今の私だから分かる事。