あなたがいたから、幸せでした。



「新郎新婦入場」


ここは教会。

夜にする結婚式なんてあんまし聞かないけど、

なんとなく夜が良かったんだ。


私はお父さんと腕を組んで

階段を下りてゆく。


離される腕。


「父さんは、お前の事大好きだからな」


そう呟いたお父さんは、

優しい微笑みを私に向けた。



お父さ~ん

私は泣きたい気持ちを抑えて、

すばらしい笑顔で彼の元に行く。



「新婦、藤堂亜美」



「汝、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、

これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」






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