あなたがいたから、幸せでした。


「ふぅ・・・」


小さく息を吐いた。

それにしても、と、あの男の子の事を思い出す。

そう、私を助けてくれたような人だ。

実際助けられたのかは分からないけど、

私は少し、気が楽になった。

家にも、学校にも居場所がなかった私が、

唯一その人に認めてもらえてる気がしたから。

うぬぼれてはダメ。

期待してはダメ。

分かってるけど少し、ほんの少し、希望を抱く。

でも、私はイジメられてる身。

そう、私はイジメられてるんだ。
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