せいあ、大海を知る
6限目が始まる前2人揃って教室に入ると、クラスメイトがひそひそと話をしていた。
いつもは授業をさぼることなんてない2人でしかも付き合っている2人が揃ってさぼったもんだから、色んな憶測が飛び交っているんだろうな。
本当のことを言えるわけもないし、想像もつかないだろうから、敢えて何か言うわけではないけど。そのままにしておいた方が一番いいと思う。
周りの視線を無視している間に、先生が来て、そのお蔭で教室は静かになってホッとした。
6限目の授業は何事もなかったかのように過ぎていき、同時に長いようで短かった学校で過ごさなきゃいけない時間は終わった。
放課後になるともうクラスメイト達は私たちへの関心なんてなくしているみたいで、とくに何か聞かれたりすることもなく無難に終わった。
――ガタっ
桂馬のもとへ行こうと席を立つと、思っていた以上に大きな音をたててしまった。
周囲にいたクラスメイトの中にはびくっと肩を弾ませた人もいたから「ごめんね」と謝り、逃げるように桂馬の待つ方へと向かった。
私の座席よりも入口に近いから、一緒に帰るときはだいたい私が彼の机の方に行くのが当たり前になりつつある。暗黙の了解という感じかな。
私より帰り支度に手間取っているらしく、桂馬はまだ机の中を漁っている。
「桂馬、何やってるの?」
何にそんなに手間取っているのだろうと不思議に思い尋ねると、顔を上げた桂馬は一瞬睨むように目を細めて、そしてあきれた様な顔に表情を変化させて、大きな大きなため息を吐いた。
何か言いたいことがありそうだ。
「その言葉、そっくりそのまま返すよ。何やってる?のはこっちのセリフだから。鞄の中ちょっと見せろ」
早口でそう言いながら、私がいいよという前に鞄が奪われてしまった。
いつもは授業をさぼることなんてない2人でしかも付き合っている2人が揃ってさぼったもんだから、色んな憶測が飛び交っているんだろうな。
本当のことを言えるわけもないし、想像もつかないだろうから、敢えて何か言うわけではないけど。そのままにしておいた方が一番いいと思う。
周りの視線を無視している間に、先生が来て、そのお蔭で教室は静かになってホッとした。
6限目の授業は何事もなかったかのように過ぎていき、同時に長いようで短かった学校で過ごさなきゃいけない時間は終わった。
放課後になるともうクラスメイト達は私たちへの関心なんてなくしているみたいで、とくに何か聞かれたりすることもなく無難に終わった。
――ガタっ
桂馬のもとへ行こうと席を立つと、思っていた以上に大きな音をたててしまった。
周囲にいたクラスメイトの中にはびくっと肩を弾ませた人もいたから「ごめんね」と謝り、逃げるように桂馬の待つ方へと向かった。
私の座席よりも入口に近いから、一緒に帰るときはだいたい私が彼の机の方に行くのが当たり前になりつつある。暗黙の了解という感じかな。
私より帰り支度に手間取っているらしく、桂馬はまだ机の中を漁っている。
「桂馬、何やってるの?」
何にそんなに手間取っているのだろうと不思議に思い尋ねると、顔を上げた桂馬は一瞬睨むように目を細めて、そしてあきれた様な顔に表情を変化させて、大きな大きなため息を吐いた。
何か言いたいことがありそうだ。
「その言葉、そっくりそのまま返すよ。何やってる?のはこっちのセリフだから。鞄の中ちょっと見せろ」
早口でそう言いながら、私がいいよという前に鞄が奪われてしまった。