せいあ、大海を知る



夏休みに入ってからは毎日のように桂馬の家か、私の家で、桂馬と一緒に過ごした。課題を片付けたり、ただだらだらと過ごしたり、大きな変化のない日々がすごく楽しかった。


桂馬の新しいお父さんに会って挨拶をした時には、ちゃんと笑えているだろうかと不安になることもあるけど、うまくやれていると思う。


一度は中西家の人たちと、うちのお父さんとでBBQなんかもしたりした。中西家に私とお父さんがお呼ばれした形だった。終始穏やかな時間で、いい思い出になった。


だけど……目の前の人が変わっている事に気づかず話をしているお父さんを見ているのはちょっと辛かった。


目の前の光景に、受け入れるべきことなのだと改めて突きつけられた。


そこは17年生きてきての経験だろう、私と桂馬は随分と“ふり”が上手になっていたらしい。初めての出来事にも少しずつ順応していると思う。





これからもこうやって生きていくんだから……そう信じていた。



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