お金より体力が大事?
反省してももう遅い
スポーツジム ハミングスポーツのオーナーである樋川幸鷹(ひかわゆきたか)は父からこのスポーツジムを引き継いで1年になる。
昨年父がガンで亡くなり、御曹司である幸鷹が人気スポーツジムであるハミングスポーツを引き継いだのであった。
しかし、ここ半年のうちに収入がガタ落ち、会計士に入ってもらい徹底的に会社の経費について検討してもらった結果、あまりにひどい経営により、ハミングスポーツは倒産を待つしかない状況に陥っていた。
「どういうことなんだ!こんなに早く・・・傾くなんて・・・誰か着服とか横領とか悪意に満ちたことをやっているんじゃないのか?」
幸鷹が秘書と弁護士に尋ねると、2人の答えは幸鷹の受けた接待や広告収入になるはずだったイベントなどによる負債が原因だとわかった。
「なんでもイベントをやって、参加者にうければ儲かるというものではありません。」
「よろこんでもらうことはもちろんですが、収益につながらないことはやめておく決断も必要なのです。」
「はぁ・・・つまりは、俺には経営能力がない・・・と言いたいんだよな。
それで、取締役会は何と言っているんだ?」
「残念ですが、社長は辞任していただきます。
そして、社員からやり直していただくことになります。」
「そんな・・・でも仕方ないか。
俺が招いたピンチなんだからな。」
「それと申しあげにくいことなのですが、できれば損になった部分について社長の私物や貯蓄から払っていただきたいのですが・・・。」
「えっ、そんな・・・そんな金ないぞ。
チャリティには満額寄付しているし・・・私物といっても俺は金目のモノなんて何も持ってない。
貯蓄だって、そんなに・・・。
くっどうしたらいいんだ。ちょっと出てくる。」
幸鷹は羽振りのいいオーナー生活から一転、何もなくしてしまう現実をつきつけられてしまった。
しかも、損失を借金したとしても・・・社長でなくなるなら、返済能力もない・・・。
目の前が真っ暗になって何も考えられなくなっていた。
そしてとある盛り場にたどりつき、最期の酒の気分で飲んでいた。
「だめだ・・・酔えないや。
ほんとに死ぬ思いしてるやつは、酔うことも許されないんだな。」
盛り場を後にして大きな公園に差し掛かり、公園を横切るか公園の外の道路を歩いていくか、ボゥ~っとした頭が考えあぐねていたときだった。
「やっ、やめてよ!
さわらないで。離して!!!いやっ。」
若い女が酔っ払い3人にからまれているようだった。
しかも、水商売の女ではなく、どう見ても高校生のような若い女だ。
「おい、こんな時間に歩いてる方も悪いだろうけどな・・・若い女に3人の酔っ払いのおっさんがからんでどうするつもりだ?」
「なんだよ。俺たちはな・・・家出少女かもしれないから、かわいこちゃんを保護してやってんの。
おまえみたいな、いかつい兄ちゃんには用はないんだよ。帰れ。」
「助けて!保護なんかじゃないの。
私はどうしても出なきゃいけないパーティーに呼ばれたから出席したんだけど、具合の悪そうなおばあさんにタクシーを譲っちゃったのよ。」
「だそうだぜ。おまえたちが保護したんじゃないってよ。
それにおまえら・・・俺にいけないことを言ったな。
俺がいかついだと・・・俺は重量挙げだの格闘技をしてたわけじゃねえんだよ。
さあ、お嬢ちゃん、こっちへ来い。
おっさんたちにはお帰りいただく。」
「何勝手なことをいってるんだよ。アホがぁ!」
昨年父がガンで亡くなり、御曹司である幸鷹が人気スポーツジムであるハミングスポーツを引き継いだのであった。
しかし、ここ半年のうちに収入がガタ落ち、会計士に入ってもらい徹底的に会社の経費について検討してもらった結果、あまりにひどい経営により、ハミングスポーツは倒産を待つしかない状況に陥っていた。
「どういうことなんだ!こんなに早く・・・傾くなんて・・・誰か着服とか横領とか悪意に満ちたことをやっているんじゃないのか?」
幸鷹が秘書と弁護士に尋ねると、2人の答えは幸鷹の受けた接待や広告収入になるはずだったイベントなどによる負債が原因だとわかった。
「なんでもイベントをやって、参加者にうければ儲かるというものではありません。」
「よろこんでもらうことはもちろんですが、収益につながらないことはやめておく決断も必要なのです。」
「はぁ・・・つまりは、俺には経営能力がない・・・と言いたいんだよな。
それで、取締役会は何と言っているんだ?」
「残念ですが、社長は辞任していただきます。
そして、社員からやり直していただくことになります。」
「そんな・・・でも仕方ないか。
俺が招いたピンチなんだからな。」
「それと申しあげにくいことなのですが、できれば損になった部分について社長の私物や貯蓄から払っていただきたいのですが・・・。」
「えっ、そんな・・・そんな金ないぞ。
チャリティには満額寄付しているし・・・私物といっても俺は金目のモノなんて何も持ってない。
貯蓄だって、そんなに・・・。
くっどうしたらいいんだ。ちょっと出てくる。」
幸鷹は羽振りのいいオーナー生活から一転、何もなくしてしまう現実をつきつけられてしまった。
しかも、損失を借金したとしても・・・社長でなくなるなら、返済能力もない・・・。
目の前が真っ暗になって何も考えられなくなっていた。
そしてとある盛り場にたどりつき、最期の酒の気分で飲んでいた。
「だめだ・・・酔えないや。
ほんとに死ぬ思いしてるやつは、酔うことも許されないんだな。」
盛り場を後にして大きな公園に差し掛かり、公園を横切るか公園の外の道路を歩いていくか、ボゥ~っとした頭が考えあぐねていたときだった。
「やっ、やめてよ!
さわらないで。離して!!!いやっ。」
若い女が酔っ払い3人にからまれているようだった。
しかも、水商売の女ではなく、どう見ても高校生のような若い女だ。
「おい、こんな時間に歩いてる方も悪いだろうけどな・・・若い女に3人の酔っ払いのおっさんがからんでどうするつもりだ?」
「なんだよ。俺たちはな・・・家出少女かもしれないから、かわいこちゃんを保護してやってんの。
おまえみたいな、いかつい兄ちゃんには用はないんだよ。帰れ。」
「助けて!保護なんかじゃないの。
私はどうしても出なきゃいけないパーティーに呼ばれたから出席したんだけど、具合の悪そうなおばあさんにタクシーを譲っちゃったのよ。」
「だそうだぜ。おまえたちが保護したんじゃないってよ。
それにおまえら・・・俺にいけないことを言ったな。
俺がいかついだと・・・俺は重量挙げだの格闘技をしてたわけじゃねえんだよ。
さあ、お嬢ちゃん、こっちへ来い。
おっさんたちにはお帰りいただく。」
「何勝手なことをいってるんだよ。アホがぁ!」
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