お金より体力が大事?
小花の様子をこっそりうかがってから幸鷹は頭をおさえてため息をついた。
「バカだな・・・俺。
10も年が離れてないから、嫌なんだろうしな。
小説家なら肌に触れてもよしってわけじゃないよな。
俺の方が舞い上がってどうすんだ・・・。
自分の欲望をぶつけただけじゃないか。」
結局、小花は翌日メイドが通ってきてから入浴をすませたのだった。
小花も幸鷹には顔を合わせにくいと思っていた矢先、ドアの隙間から1ぴきの三毛猫が小花のベッドのところに入ってきて、テーブルにかけてあったクロスを噛んでひっぱった。
「ね、猫がっ!」
パリーーーン、ガシャーーン!!
お皿やカップが割れて小花も片足で立つところを姿勢をくずしてしまった。
「だめっ、倒れる!」
「おおっと・・・。危なかった。」
小花がそうっと、目をあけると、幸鷹が小花の体の下で倒れていた。
「ちょ、ちょっとぉ、あの・・・そんな体制で頭を打たなかったの?
幸鷹さんが大怪我しちゃうとこだったんじゃ・・・。」
「俺はそんなやわじゃないよ。
宙返りも簡単なのはわかってるだろ?
とりあえずスライディングキャッチしただけだしね。
それにしても、危なかったな。
いや、三毛猫くんには感謝しなきゃいけないかな。
小花が俺を心配してくれたんだからな。」
「心配?誰が心配なんかするもんですか?」
「あははは。いいねえ。
元気がないとリハビリはできないからね。
それに、早くリハビリ終わらないと、自分の仕事にもどれないしな。」
「えっ?」
「俺じゃ、ベストセラー作家の彼氏にはなれないみたいだから・・・さ。」
「そんなことない・・・と思う。」
「ん?」
「そんなことないよ。
私は幸鷹さんが好き。
でも・・・まだ・・・そんな・・・そういうのに慣れてなくて・・・。
文章を書くボキャブラリはけっこうあるんだけど、実際にやるっていうのは・・・困るっていうか。
怖いって言うか・・・無理っていうか・・・。
ごめんなさい!」
「ぷっ!よかった。
嫌われているんじゃなかったんだよな。
わかった。
それなら、まぁ・・・少しだけは待ってやるか。
少しだけな。あはははは。」
「バカにしてるのね。」
「いいや。うれしいだけだって。」
「ほんとに?」
「ああ。君の本音をきくことができたからね。
俺の本音も言っておかないと。
俺は愛してるぞ。
もちろん、しょっぱなに金を貸してくれたから・・・ではない。
今の職場を与えてくれたから・・・でもない。
俺にいろんなものを与えるだけの能力があるのに、そんなのがぜんぜんない女の子みたいにいつもが全力投球だからだ。
執筆活動も、ふだんの生活も。
俺は難しいことはわからない。
このとおりの筋肉バカだからな。
だけど、君をいっぱい守りたいといつも思ってしまう。
なんて・・・カッコいいことも言ってみたかった。」
「バカだな・・・俺。
10も年が離れてないから、嫌なんだろうしな。
小説家なら肌に触れてもよしってわけじゃないよな。
俺の方が舞い上がってどうすんだ・・・。
自分の欲望をぶつけただけじゃないか。」
結局、小花は翌日メイドが通ってきてから入浴をすませたのだった。
小花も幸鷹には顔を合わせにくいと思っていた矢先、ドアの隙間から1ぴきの三毛猫が小花のベッドのところに入ってきて、テーブルにかけてあったクロスを噛んでひっぱった。
「ね、猫がっ!」
パリーーーン、ガシャーーン!!
お皿やカップが割れて小花も片足で立つところを姿勢をくずしてしまった。
「だめっ、倒れる!」
「おおっと・・・。危なかった。」
小花がそうっと、目をあけると、幸鷹が小花の体の下で倒れていた。
「ちょ、ちょっとぉ、あの・・・そんな体制で頭を打たなかったの?
幸鷹さんが大怪我しちゃうとこだったんじゃ・・・。」
「俺はそんなやわじゃないよ。
宙返りも簡単なのはわかってるだろ?
とりあえずスライディングキャッチしただけだしね。
それにしても、危なかったな。
いや、三毛猫くんには感謝しなきゃいけないかな。
小花が俺を心配してくれたんだからな。」
「心配?誰が心配なんかするもんですか?」
「あははは。いいねえ。
元気がないとリハビリはできないからね。
それに、早くリハビリ終わらないと、自分の仕事にもどれないしな。」
「えっ?」
「俺じゃ、ベストセラー作家の彼氏にはなれないみたいだから・・・さ。」
「そんなことない・・・と思う。」
「ん?」
「そんなことないよ。
私は幸鷹さんが好き。
でも・・・まだ・・・そんな・・・そういうのに慣れてなくて・・・。
文章を書くボキャブラリはけっこうあるんだけど、実際にやるっていうのは・・・困るっていうか。
怖いって言うか・・・無理っていうか・・・。
ごめんなさい!」
「ぷっ!よかった。
嫌われているんじゃなかったんだよな。
わかった。
それなら、まぁ・・・少しだけは待ってやるか。
少しだけな。あはははは。」
「バカにしてるのね。」
「いいや。うれしいだけだって。」
「ほんとに?」
「ああ。君の本音をきくことができたからね。
俺の本音も言っておかないと。
俺は愛してるぞ。
もちろん、しょっぱなに金を貸してくれたから・・・ではない。
今の職場を与えてくれたから・・・でもない。
俺にいろんなものを与えるだけの能力があるのに、そんなのがぜんぜんない女の子みたいにいつもが全力投球だからだ。
執筆活動も、ふだんの生活も。
俺は難しいことはわからない。
このとおりの筋肉バカだからな。
だけど、君をいっぱい守りたいといつも思ってしまう。
なんて・・・カッコいいことも言ってみたかった。」