お金より体力が大事?
幸鷹は探偵を使って真崎祐司を調べると、やはり心配していたとおり、既婚者だったということがわかった。

ハワイに妻子がきちんといることもわかった上で、気になることも浮かび上がってきた。


(真崎祐司ならびに達哉の兄弟は小説家春日丘良斗の従兄にあたる人物である。)



(そういうことか・・・。小花をつぶすつもりで・・・なんてひどいヤツなんだ!)



幸鷹は小花の性格上、ただ証拠をつきつけて真崎祐司の話をしても怒って悲しんでひとりで籠ってしまうと予想した。


(どうすればいいんだ・・・。小花がもし祐司に心をゆるしていたとしたらショックが大きいはずだ。)


散々考えたあげくに、幸鷹は最近の小花の行動の様子見をしてみることにした。


ほぼ毎日、夕飯をいっしょにしている・・・。


しかもかなり楽しそうにいろんな話をしている。


(これは、かなり本気だな。だが・・・これでは・・・。これじゃ、ダメだ。)




小花は執筆活動にも拍車をかけ、ハイスピードで書き上げていた。

しかし、心の中では不安がかけめぐっていた。


(祐司さんは私の話をきいてくれる。
すごく、楽になれるし、いい人だわ。

でも、夫になってほしいとは思えない。
なんか、お父さんに話しかけているような気分になる。
こんなこと言ったら祐司さん凹んじゃうだろうなぁ。

祐司さんはあせらなくていいって言ってくれたんだもの。
もう少し仕事しながら、お付き合いだけすればいいんだわ。

だけど・・・やっぱりさびしい気がするのは。)



ちょうどその頃、春日丘良斗の事務所では・・・


「そろそろいい頃だな。
結婚を真剣に決めた頃にたねあかし・・・ふふふ。
せいぜい、ガンガン書いて出版するんだな。

俺をこけにすればどうなるか、教えてやる。
おとなしく、俺の女になっていれば楽できていいものを。

どうせなら、嫁にも行けないようにしておいた方がショックは大きいだろうな。

よし・・・祐司にいい思いだけさせてやればいいな。」




RuRuRuRuRu・・・

「はい、真崎です。
そろそろですか・・・わかりました。

えっ、それは・・・そこまでは僕は・・・。」



「これは命令だ。成功報酬に上乗せして100万積んでやる。
おまえもいい思い出作りができたと思えばいいだけだろ。
それで予定どおり、振って帰れば、治療代と祝い金100万で、楽に暮らせるというものだろう?
わかったな。告白して帰国するのは来週だ。
じゃ、よろしく頼む。」


「くっ・・・僕は・・・。
くそぉ!リーナ。リーナの命がぁ!」

< 26 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop