私とあいつの関係 *ステキな婚約者*
 まだ朝だから涼しくて静かだった。



「で、華音。何があったの?」



 ベンチに座ると、莉奈が優しい口調で聞いてきた。




 私は、一呼吸してから昨日あったことをすべて莉奈に話した。



 葉月ちゃんに呼ばれたこと。



 葉月ちゃんに颯真のことを渡さないって言われたこと。



 そして、そんなことを言われてどうしたらいいか分からないこと。




 気づけば私は話しながら泣いていた。



 昨日はあんなことがあったくせに泣かなかったのに今になって泣くなんて……。
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