私とあいつの関係 *ステキな婚約者*
 だから私はゆっくりと話し始めた。




「わ、私ね……。本当はずっと葉月ちゃんに嫉妬してた……」



 か細い私の声に静かに首を傾け聞いてくれる。



 もちろん、抱きしめたまま。



「少し前に葉月ちゃんに話があるって言われて、話を聞いたんだけどね」



 思わず数日前の会話が浮かんでくる。



 あの切なげな表情と声が……。


「『颯真は渡さない! 私の方が……。私の方が颯真のことよく知ってる。私の方が颯真のこと好きなの……』って言われて……」
< 308 / 339 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop