私とあいつの関係 *ステキな婚約者*
「ふっ。なんで泣くんだよ」



 そう言いながらギュッと抱きしめられる。



「だって颯真がぁ……」



 そのあとの言葉は涙が邪魔して言えなかった。



 嬉しく嬉しくて……。



 次々に涙が出てくるの。



 そうやって泣く私を抱きしめながら続けた。




「ちょっと強気ですぐに怒るけど、本当は危なっかしくて自分が可愛いことに気づかない鈍感な華音が、悔しいくらいに好きだよ」



 ……そんなこと言われたら私、絶対に颯真から離れられなくなっちゃうよ……。
< 333 / 339 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop