最後の龍の華②





「いえ?龍華さんに対しての文句はないのですが……しいて言うなら、そこどいてもらってもいいですか??」




小首を傾げながら言うけど、それ文句だよね??
まぁ、そのお願い………




「断ってもいい?順番的に私からなんで琥珀と戦いかったらもうちょっと時間がたってからなると思うんだけど………他当たってもらっていいですか??」





奈留の動作を真似しながら、人差し指を上に向け自分の魔力をそこに籠める





「つまり、あなたを倒せば琥珀と戦えるのですね?二人倒せるということは得しかないですか……!」





今まで見たことない笑顔をした後、奈留の周りに炎が渦まく。
えっ?まってどこで本気のスイッチが入ったわけ?!
とりあえず今自分の手元にある魔法を投げつけてみる



赤い炎の中に黒い炎がぶつかるが規模も違い過ぎて瞬殺されてしまう。
ですよねー………威嚇程度のもんだし想定内かなー



「無駄なことはやめてその尻尾いただいますよ」




渦巻いていた炎が消え、代わりに肩に小さな炎の鳥、両手に炎でできた弓矢。
その弓矢が構えられ矢先は私を狙う。
私、遠距離スタイルじゃないんだけど……
足先を見つめ、軽く左右に身体を傾け緊張をほぐすように一息つきゆっくりと顔をあげる。



矢が放たれたと同時に目の前に結界をはる、炎が衝突し水蒸気が発生した
それを突っ切り魔法で作った黒い鎌を手に持ち一気に距離をつめ奈留に振りかざす。




後ろにステップされ簡単に避けられる
驚きに目を見開いていたがそのまま続けて攻撃をしかける。




再度後退されかわされる。
壁ぎわまで追い込もうとそのまま攻撃をする
これは不味いと思ったのか、奈留は空いている手から炎をだし私に向かって投げてその瞬間に肩にとまっていた鳥が飛びたつ。




炎は地面にあたりそのまま燃え続ける、私と奈留には炎の壁……
上をチラッ見上げるとクルクル回ってる鳥





んー。どう対処しようかなー?
後ろに下がれば奈留の弓にやられるし、下手に動いても上の鳥が何かしらやってくるのは目に見えてるしなぁー



考えていてもしょうがないか、時には流れに身を任せてみるか。




とりあえず棒立ちしてみる。





「…………喧嘩売ってるんですか?」



「…………そんなことないわよ、ていうか喧嘩してるじゃない今」



「あんまり甘い事してるとこっちだってそれ相応の事をさせていただきますよ」



「かかってきなさいよ」




「スー!燃やし尽くしなさい!!」



ピャァーーーーーー
その鳴き声と共に私に向かって急降下してくる。




「闇から集え」



その場を後退し自分がいた場所に闇の塊を作る。
そこに放たれた火の玉と追い打ちをかけるように奈留からの弓矢が放たれたる。



自分のいた場所だと思うと酷い有様になっていただろう、これは本気で私をやりにきてるわね。
こっちも本気でやりにいかないと早々にやられて奈留に負けてしまう。でも、この勝負………


















「私の勝ちね」


「………どういう考えでそうなったのか不思議ですがあなたのその発言は間違っています。正しくは私の勝ちです!!」





再度弓を構え狙ってくる。
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