最後の龍の華②
ポンっ。
そんな軽快な音と共に立ちはだかっていた炎と上空に飛んでいた鳥が消えていた。
ピコンピコン!!
「第一のリタイアさんが出現しましたーその名も!!鳳凰族の奈留さんでぇーす!!……………いやー思ってたよりもはやく犠牲者がでてしかも予想を裏切る奈留君だしー、のんびっくりー!ちなみにーのんの予想では琥珀君だったよー!では皆さん引き続き頑張ってねー」
アナウンスが鳴り終わった後、奈留の方を見てみる。
「くっ、屈辱すぎます」
幼少化していた。
えっ?
尻尾取られるとこうなるわけ??嘘でしょ?なんでそんなことになってんの?
「見ないでもらえませんか」
「………これは見ないと損でしょ」
クイッとブリッジをあげてるし声は奈留のまんまだ
そのままショタ化したみたい………
ジーと見上げられる、子供に見上げられるなんて滅多にないから見下ろす。
キューンキューン、キュルルル。
「あっ、ご苦労様。よくやったわ!えらいえらい」
黒い小龍が降りてきて私に擦り寄る。
その頭をグリグリと撫でると口に咥えていた物を私に差し出してくれる、あ~かわいい
「ありがとう!またよろしくね」
指をならし小龍を元に戻す。
受け取った物を見つめ、両手でモフモフしてみる。
うわーふわふわすぎるわこれ。
「それは…………」
「そう!奈留の尻尾さんですよー」
小さい奈留の目の前で尻尾をプラプラさせてみる
あらら、子供の眉間にシワがよるのはどうかと思うわ
まぁそうさせているのは私なんだけど………
「不愉快なのでその尻尾しまってもらえません?」
「………」
これを?どうやって………?
そこそこの大きさなのにどこにどういれるのよ?
…………
あっ。いいこと思いついたわ。
潰してしまえばいいのよ
「えいっ」
両手でぺしゃんこになるように思いっきり叩く。
もふもふしたかったけど仕方ないわ………
「うわー………それは……」
ピッ
尻尾が消滅し頭上に数字現れる。
「ポイント制なのか?」
「取った尻尾の本数なのかわからないけど表示させるのだから何か意味があると思うわ」
「...尻尾潰すのはどうかと思う」
「それは同感です」
「ちょっと待って、なんで私がおかしいみたいな言い方されるわけ?」
「...その考えに至ったのが不思議だ」
私だってどうかと思ったわよ?でも魔法でできた尻尾なんだし潰して欠片にしてしまえば持ち運びが便利になるかな?って思っただけで...それに結果的に尻尾は潰れる前に消えたんだから...
「結果オーライじゃない?」
「なにがだ」
「....いや、だから私のポイントになったし潰さなかったらあの尻尾のまんまだと邪魔じゃない?なので結果オーライ!」
「そういう事にしといてやる。ほら次の客人が来たぞ」
なんか私も腑に落ちないけど琥珀に言われたとおり次の相手も来たようだしこの話は終わりにして客人のお出迎えをしないとね
「次も龍華か?」
「当たり前でしょ。まだまだいけるわ、琥珀は見学そこで見学でもしといて」
「わかった」
今度のお相手は私の知り合いではないからそのまま遊ぶこと一瞬でかたをつけるわ
私の愛武器を手に持ちそのまま相手に切りかかる
「この勝負私がもらうわね」