あの日に戻れるなら…。
話す相手がいなくなった俺はしばらく、ぼーっと担任の話を聞いていた。

話と言っても挨拶みたいな大して重要じゃないこと。

どんなクラスにしたいか…とか
一年間仲良くしましょう…だの
そんなの誰も求めてねぇんだよ。

しばらくすると解散になったから帰った。

俺的に言うと授業の終わった教室に用はねぇ。

授業があるから学校に来るだけ。
なけりゃ俺はこんなとこ好きでもないのに来ねぇよ。

行くのが遅かったってのもあるだろうけど今日は結局、久我以外と話さなかった。

久我にも冷たく言われたしな…。

あの女マジで愛想ねぇわ。
あそこまで笑わない愛想ねぇ女は初めて見た。

この時の俺は久我が笑ってる所を見ることになるなんて思ってもいなかった。
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