獅子座流星群
受賞した小説を読み漁ってた時もあった。
私を落としといて栄光を手に入れた作品はどれだけ面白いのだろうと。
でもそのどれもを読んでも面白いとは思わなかった。むしろ私が書いた小説の方が何倍も面白いのに、と憤慨したほとだ。
しかし、今になってよく分かる。私は面白いと感じなかったんじゃなく、ただ面白いと認めたくなかったんだって。
妬み。嫉み。嫉妬。
中には確かに――――――まぁ人それぞれ好みは違うのだから当然といえば当然だか――――――え、これが受賞作?と思う小説もあった。でもやっぱり、面白いのは面白くて……。
それを納得してしまえば“負け”だと思ってた。
私の書く小説は面白いと、自分自身に言い聞かせなきゃやってられなかった。
一次審査で落ちる度に、編集者側が見る目のない奴等だったのだと………。
子供だった。
あの頃の私は、なんでも人の所為にして自分を守ってきた私の考えは、子供の延長だった。
そんな自分が間違っていたのだと気付いたのは、皮肉にも、やっと、やっと、新人賞を受賞した時だった。