獅子座流星群




自宅に戻ると直ぐ様シャワーを浴びた。トイレと浴室が別な事以外あまり気に入ってない6畳一間の狭い部屋。

濡れた髪をタオルで適当に乾かしながらベッドに腰掛けた。

今日の晩酌は帰りにコンビニで買ってきたビールと唐揚げ。仕事終わりにビールを呑むのが至福の一時だった。


今日もまた半分までを一気に飲み干す。炭酸が喉を刺激するこの感じが気持ちいい。アルコールが体内に入っていくこの感じが気持ちいい。

しかしそれと同時によく思う。ビールを呑み、その際天井を仰ぎ見る際よく思う。


……私は一体、何をしてるのだろうと。



『5年……ですか?』


夢にまでみた新人賞。そのお祝いパーティーの席で、賞の審査委員をしていた某有名作家に言われた言葉を思い出す。

脳内で響くそれは生々しく、そして心の奥底にずっしりと落ちる。





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