獅子座流星群
「あんの嘘つき女が」
天気予報が外れたとしても、それは朝に見た女性キャスターが悪い訳じゃないのに、口から出るのはそんな苛立った言葉だけ。
今思えば生意気でみっともなくて、どうしようもない考えなのに、当時の私はそれを変だとは思わなかった。
高校生だったあの頃の私は、何か上手くいかない事があるとすぐに人の所為にしていた。
あれが悪い、誰が悪い、自分は何も悪くないと。そんな事を当然のように思っていた。
子供だった。幼稚だった。
そのくせ、ガキ扱いされるのが嫌いだった。
むしろあの頃の私は大半の事が嫌いだった気がする。
この土地も、あの女も、学校も友達もほぼ全てが。
つねに苛立っていた。苛立っている理由も分からなかった。
平均台の上に立ってるようなぐらぐらとした心根は思春期だったからなのか。
どっちみち、あの頃の私にはそんな言葉では片付けられなかったけど。