獅子座流星群
「あ~あ…」
流星群も見れないし、もうこの丘には用はない。
それでもせっかくここまで来たのにすぐに帰るのは勿体無い気がして、次回描く作品の構成を考える事にした。
私の将来の夢は小説家だ。
自宅には自分で書いた数々の原稿を大事に本棚にしまっている。
高校を卒業したら――――東京に行くんだ。
あの女が居た気配がしない場所に。あの事件を知らない人達の所に――――――東京の大学に行って、バイトしながら執筆活動をして、なんかの新人賞をとってデビューする。それだけがこんな田舎で退屈な毎日を送る私にとっての唯一の希望で、支えで。
東京のキャンパスを歩いてる自身のビジョンを想像すると先程までの苛立ちもふっ飛び、ニヤニヤと頬を緩めながら曇った空を眺めてた。
と、その時だった。