聖乙女(リル・ファーレ)の叙情詩~真実の詩~
「まさか…カイは君に告白したのか?」
リュティアは瞬時に耳まで赤くなった。
その火照りをなんとかしようとうつむきがちに両頬をおさえるリュティアは、ラミアードの表情が固いことにも気付かない。
―嘘をついても仕方がないので、リュティアは頷いた。
「ええと…その………はい…」
「それで、君もカイのことが好きなのか?」
その質問を聞いた時、リュティアの胸に鋭い痛みが走った。
好きと聞いて思い浮かぶのが、まだライトの面影だったからだ。
リュティアは無意識に言葉を選んだ。
「カイを、愛しています」
「リュー」
そこではじめて、リュティアはラミアードの顔色に気がついた。どこか青ざめて見えるが、なぜだろう。
ラミアードは辛そうに眉根を寄せながら口を開いた。
「もし君が本気でカイと結ばれたいのなら、私は……」
「……?」
「私は…―――いや、…なんでもない。私はリューに、大切なリューに、何よりも幸せになってほしい」
ラミアードは自分で自分の気持ちを確かめながら言葉を紡いでいる、そんなかんじだった。
「お兄様…?」
何かラミアードの様子がおかしいとリュティアは思った。だがその理由を尋ねる機会は、ラミアードが次に口にしたまったく違う話題によって、永遠に失われた。
「リュー、今までよくがんばってくれた。だが女王の重責は君の肩には重すぎるだろう。落ち着いたらでいい、私がかわりに王位を継ごう。その方が君は幸せになれる。私は君に、幸せになってほしいんだ」
「え………………??」
リュティアは瞬時に耳まで赤くなった。
その火照りをなんとかしようとうつむきがちに両頬をおさえるリュティアは、ラミアードの表情が固いことにも気付かない。
―嘘をついても仕方がないので、リュティアは頷いた。
「ええと…その………はい…」
「それで、君もカイのことが好きなのか?」
その質問を聞いた時、リュティアの胸に鋭い痛みが走った。
好きと聞いて思い浮かぶのが、まだライトの面影だったからだ。
リュティアは無意識に言葉を選んだ。
「カイを、愛しています」
「リュー」
そこではじめて、リュティアはラミアードの顔色に気がついた。どこか青ざめて見えるが、なぜだろう。
ラミアードは辛そうに眉根を寄せながら口を開いた。
「もし君が本気でカイと結ばれたいのなら、私は……」
「……?」
「私は…―――いや、…なんでもない。私はリューに、大切なリューに、何よりも幸せになってほしい」
ラミアードは自分で自分の気持ちを確かめながら言葉を紡いでいる、そんなかんじだった。
「お兄様…?」
何かラミアードの様子がおかしいとリュティアは思った。だがその理由を尋ねる機会は、ラミアードが次に口にしたまったく違う話題によって、永遠に失われた。
「リュー、今までよくがんばってくれた。だが女王の重責は君の肩には重すぎるだろう。落ち着いたらでいい、私がかわりに王位を継ごう。その方が君は幸せになれる。私は君に、幸せになってほしいんだ」
「え………………??」