聖乙女(リル・ファーレ)の叙情詩~真実の詩~
朝議の空気が、いつもと違った。
「それについては、今は国営となっている大果樹園を、民営とするのはどうか。民に意欲と仕事を与えられる。今は何よりそれが重要だと思う」
堂々と、輝くばかりの存在感を放つ人物に、皆が引き寄せられる。目を奪われる。気がつくと彼に意見を求めている。
「収益の一部を税として国に納めてもらうことにすれば、損にはならない。商法にも抵触しない」
「なるほど確かに」
「さすが、ラミアード殿下」
あちこちから称賛の声が上がる。
リュティアは半ば呆然としながらラミアードをみつめる。間違いなく場の空気は女王であるリュティアではなく今日から朝議に参加することになった彼が支配していた。その証拠に、今日の朝議でリュティアはまだ一言もしゃべっていないというのに、誰もそのことに気がついた様子がない。
ラミアードの言葉には力があった。それは深い知識と経験に基づいた力だった。リュティアがまだ知らない様々な法律や仕組みを熟知しており、それを巧みに用いた意見を次々と口にできるのだ。
それだけではない。
「我が国の土地については再興にあたってすべて返還式を行い、王国の直轄地としていると聞いた。
今それを貸し与える形で代表者を決めているとのことだが、それについては異論はない。
だが、すべて直轄地となった今だからこそ、土地を与えて最終的に貴族とするその貴族社会そのものを改革していくよい機会だと思う。
私は可能な限り身分の差をなくしていきたいと考えているのだ」
国づくりに、高い、確かな理想を持っているのだ。
「それについては、今は国営となっている大果樹園を、民営とするのはどうか。民に意欲と仕事を与えられる。今は何よりそれが重要だと思う」
堂々と、輝くばかりの存在感を放つ人物に、皆が引き寄せられる。目を奪われる。気がつくと彼に意見を求めている。
「収益の一部を税として国に納めてもらうことにすれば、損にはならない。商法にも抵触しない」
「なるほど確かに」
「さすが、ラミアード殿下」
あちこちから称賛の声が上がる。
リュティアは半ば呆然としながらラミアードをみつめる。間違いなく場の空気は女王であるリュティアではなく今日から朝議に参加することになった彼が支配していた。その証拠に、今日の朝議でリュティアはまだ一言もしゃべっていないというのに、誰もそのことに気がついた様子がない。
ラミアードの言葉には力があった。それは深い知識と経験に基づいた力だった。リュティアがまだ知らない様々な法律や仕組みを熟知しており、それを巧みに用いた意見を次々と口にできるのだ。
それだけではない。
「我が国の土地については再興にあたってすべて返還式を行い、王国の直轄地としていると聞いた。
今それを貸し与える形で代表者を決めているとのことだが、それについては異論はない。
だが、すべて直轄地となった今だからこそ、土地を与えて最終的に貴族とするその貴族社会そのものを改革していくよい機会だと思う。
私は可能な限り身分の差をなくしていきたいと考えているのだ」
国づくりに、高い、確かな理想を持っているのだ。