泣き虫王子と哀願少女
「ば~か。お前深く考えすぎなんだよ。あんなもん騒がずほっときゃ、そのうち相手も飽きるっての」
「う、うん。そうだよね……」
「そうそう」
深刻そうな顔をしている私を気遣ってか、潤君がわざとなんてことないように軽く言う。
だが、基本単純な私にはそれが想像以上の効果をもたらし
……『コツン』ってされちゃった~! 少女漫画で見て憧れてたやつだよ~っ!!
思いもよらない潤君の『コツン』に、今までのモヤモヤが一気にどこかへと吹き飛んでしまった。
「さぁ、勉強に戻んぞ」
「うん!」
不安から一転キュンキュンとする胸をおさえながら、とりあえず目前に迫った期末テストを乗り越えるべく再び勉強へと勤しむのだった。