泣き虫王子と哀願少女


「!?」


出しかけた足を止め、再び少女のほうへと向き直る。



「だ、大丈夫っ?」

「う、うん……。ごめんなさい……」

「ううん! こっちこそごめんなさいっ!」



少女が横たわっていた体を少しずつ起こし顔を上げる。

閉じていた瞳をゆっくりと開いた瞬間 ――



「!!!」



あまりの少女の美しさに、思わず言葉を失ってしまった。

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