泣き虫王子と哀願少女


「あ、あの~……え~と……」



それから一週間がたったある日。


ここは放課後の2年C組の教室である。



私の目の前にはいつものように無表情で校庭を眺めている潤君、そしていま1人先日友達になったばかりのリカちゃんが、一つの机を囲むようにして座っていた。



「とほほ……。なんでこんなことになっちゃったんだろう……」



何とも言えない気まずい空気が漂う中、私は数時間前の自分を呪いたくなった。

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