泣き虫王子と哀願少女


こっちもかぁ……、となかば呆れつつそちらに目を向ける。


その瞬間、驚きのあまり思わずその場で立ち上がってしまった。



「―― ……っ!!??」



声にならない声が響き、周囲の視線が一斉に私に突き刺さる。



「ちょっ、雫、大丈夫!?」



私の前に座っていた明里も異変に気付き、慌てた様子で私のスカートの裾を引っ張った。


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