泣き虫王子と哀願少女


「ねぇねぇ! それじゃあ今度の日曜日に、3人で青葉台遊園地に行こ~よ!」



しょんぼりしていたはずのリカちゃんが一転、とびきりの笑顔で提案してきた。



「青葉台遊園地?」

「うん! あそこなら絶叫マシーンもいっぱいあるし、泣き虫を鍛えるにはピッタリでしょ?」

「それはそうだけど……」



ニコニコと微笑むリカちゃん。



「ねっ! 潤もそれでい~よね!」

「俺はべつにかまわねーけど……」

「やった! じゃぁ決まりね!」



なんだかとんでもないことになっちゃったな……。



どんどんおかしな方向へと事態が進んでいるように思えるのは、私の気のせいだろうか?


ルンルンと嬉しそうなリカちゃんをよそに、なんだか更に頭痛が酷くなったような気がしたのだった。

< 147 / 326 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop