泣き虫王子と哀願少女
もしかして私、変なヤツって思われちゃったかな……!?
冷静さを取り戻してくると同時に、先程自分がとってしまった行動に対する不安がつのり始めた。
顔を少しだけ横へ動かして確認すればいいだけなのに、まるで金縛りにでもあってしまったかのように、なかなか体がいうことを聞いてくれない。
……どうしよう……。でもやっぱり気になるよぉ……。
しばしの葛藤の末、何度目かの試みでようやく彼の方を向くことができたのだが……――
幸か不幸か、彼は私のことなど気にもとめぬ様子で静かに涙を流し続けていたのだった……。