泣き虫王子と哀願少女


―― 隣の列にいたってことは、同い年だよね……。



観賞会が終わり教室に戻ってきた私は、席に着くなり先程の出来事を自分の中で整理し始めた。


チラチラと横目に盗み見た彼の姿を、頭の中にもう一度映し出す。



耳にキラリと光るピアス、金髪に近い明るく透き通るような髪の色、ゆるくしめたネクタイ、意外にガッチリしている肩幅……。


メガネはかけていなかったから、もしかしたら学校ではコンタクト派なのかもしれない。
< 18 / 326 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop