泣き虫王子と哀願少女
「くちゅっ……ちゅっ……ん……んふぅ……」
「!?」
突然目の前で始まった情事に、更に私の頭の中が真っ白になる。
キスなんてもちろん漫画の中でしか見たことがないし、しかもそれが濃厚な大人のキスなのだから尚更衝撃的だった。
……な、なんであの絶望的な展開からキスに発展するの!?
素朴な疑問と共に、ひたひたと忍び寄る不安。
とてもこのまま終わるとは思えない。
もしかしてリカちゃんは、今以上に恐ろしいことを考えてるんじゃないだろうか?
そう思った瞬間、リカちゃんがおもむろに顔を上げ、ニヤリと不敵な笑みを浮かべながら口を開いた。