泣き虫王子と哀願少女
「―― え~っと……水沢……水沢……っと」
ここは、私の隣のクラスの2年C組の教室。
上に超がつくほどハイテンションな明里が、教師用に作られたクラスの座席表をチェックしている最中である。
なんでこんなことになっちゃったんだろう……。
そもそも今私がここにいるのも、勝手におかしな勘違いをした明里に無理やり連れてこられたからなわけで……。
明里いわく、恋愛は『情報収集』とやらが重要らしい。