泣き虫王子と哀願少女
全身から滲み出てる『全く興味ございません』オーラがハンパないんだよね……。
今思い出しただけでも背筋が凍りそうになる。
それでもなお何度もアタックを繰り返す女の子が後を絶たないのだから、やはり先日聞いた『ギャップ』とやらに、ある種中毒性に似た不思議な何かがあるのだろう。
私にはそんな気持ちは全然わからないけれど、とにかく『涙』の手がかりを得るためにもう少しだけ追いかけてみようか……。
なんとなく、ちょっとだけ……ほんのちょっとだけだけど、彼の笑顔も見てみたいし……。
怖さや興味本位とは裏腹に、そんな気持ちも芽吹きつつあるのだった……。