泣き虫王子と哀願少女
相変わらずカッコイイな……。
久しぶりに見る大好きな人の横顔を、愛おしむように目を細めながら見つめる。
そんな潤君の横顔を見ているうちに、無性に胸がキュンと切なくなった。
やっぱり、返すの明日にしようかな……。これ返しちゃったら、もう潤君のところに来る用事なくなっちゃうし……。
ここ1週間のことを考えてみても、これから先、潤君が以前と同じように私に協力してくれる保障なんてどこにもない。
きっと、ネックレスのことだって今もまだ怒っているだろう。
そんなことをウジウジと悩んでいるうちに
ガタッ
「キャッ」
ドジな私は、机の角に腕をぶつけてしまった。