泣き虫王子と哀願少女
こんな私のために、明里が泣いてくれてる。
こんな弱虫で情けない私を、お母さんも明里も一生懸命応援して励ましてくれてる。
それなのに、私はいったい何をしただろう……?
ちゃんと精一杯頑張った?
自分に胸張れる?
あとで絶対後悔しない?
なにひとつ出来てないよ。
このままでいいの?
こんな悲しい終わり方のままで本当にいいの!?
「明里……」
「っ……。?」
「いつも心配ばっかりかけちゃってごめんね。いつもいっぱい励ましてくれてありがとね。」
「雫……?」
「私、もう一度頑張ってみる。ちゃんと自分の気持ち伝えて、最後まで精一杯頑張って……。
それでもだめなら仕方ないけど、やっぱり何もせずに後悔するのだけは嫌だもん」
「雫……。う……うっ……雫ーっ!」
「きゃっ!」
一度顔を上げて離れていた明里が、再びすごい勢いで抱きついてきた。
「よしよし」
「雫っ、うっ……が、頑張れ……っ」
「うんうん、ありがと。ありがとね明里……」
私のために泣き続ける明里の頭を、感謝の気持ちを込めて撫でながら、しばらく私達はそうしていたのだった。