泣き虫王子と哀願少女
「待って、ねえ、待っ……」
ガツッ
「キャッ」
ドサッ
「っつ……」
足もとなどろくに見ていなかった私は、石か何かにつまずいて勢いよく前のめりに倒れ込んだ。
だがしかし、そんな私にも振り返ることなくジュン君は行ってしまう。
「待って、待ってよ」
行かないで……
「お願い、待って……」
どこにも行かないで……
「もう置いていかないでよっ、潤っ!」
ずっと一緒にいて……!
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