泣き虫王子と哀願少女


「こ、ここまで来たら、もうここにいるっきゃない!」



覚悟を決めた私は、ギュッと閉じた目を恐る恐る開く。


遠慮がちに見つめたその瞳に映ったのは……



……な……な……なんて可愛い……――



「……猫~っ!?」




スリスリしながら足にまとわりつく三毛猫と、その猫の頭を幸せいっぱいの笑顔で撫で回す水沢君の姿だった……。

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