泣き虫王子と哀願少女


「わりぃ。その……、俺……、アンタが言ってることの意味が全然わけわかんねーんだけど……」



数分間停止した後、すっかり毒気を抜かれてしまった水沢君が私に問いかける。



「とりあえず、もっとわかりやすく説明してくれねーか?」

「は、はいっ! えっと、あのですね……――」



ようやく話を聞いてもらえるという喜びと、水沢君と話せるという喜びが混ざり合った私は、明里以外には話したことがない自分の不思議な体質についてゆっくり話し始めたのだった。


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