泣き虫王子と哀願少女
◆秘密の課外授業
「―― ……で、なにか? せっかくの告白チャンスに、あろうことか弟子入り志願したってかぁっ!?」
次の日の昼休み。
教室で一緒にお弁当を食べていた明里が、口の中のご飯粒を派手にまき散らしながら声を上げた。
「あ、明里、汚いよぉ……」
昨日の一連の出来事を聞き、呆気にとられた様子の明里が信じられないという顔でこちらを見ている。
「だから好きとかそんなんじゃないんだってば……」という私の言葉を無視し、興奮した様子の明里がなおも詰め寄る。
「だって、なんでアンタよりにもよって師匠と弟子なのよ!全然ワケわかんないじゃん!」
「それはまぁ、確かにそうなんだけど……」
あまりにももっともな意見に、ぐうの音も出ない。
なにしろ言った張本人が一番驚いているくらいなのだから……。
「……で、これからどうするの?」
うなだれている私に、持っていた箸をピシッと向けた明里が問いかける。