泣き虫王子と哀願少女
ボンッ!
急激に顔が熱く燃え上がる。
頭が沸騰してしまいそうだ。
「わわわわわっっ!な、なんで潤君の笑顔が現れるのっ!?ってゆ~か、なに私赤くなってんのよ~っ!」
動揺して頭を抱えながら床をゴロゴロと転げまわる。
「わわわっ!どうしよ~っ!全然頭から消えてくれないよ~っ!」
なおも混乱は収まらない。
「……でも、笑顔……嬉しかったな……。って、私ったら何言ってんのよもう~っ!」
1度ピタリと静止した後、更に激しい勢いで転げまわっていると
「雫ーっ!何騒いでるのーっ!早く起きてらっしゃーいっ!!」
階下からお母さんの怒鳴り声が聞こえてきた。
やばっ!
「あ!は、はーい!今行くーっ!」
我に返った私は大声で返事をし
「よーし!」
まだ熱が冷めやらぬ体を天井に向かって大きく伸ばすと、その勢いで制服に着替え朝食が待つ階下へと急いだのだった。