泣き虫王子と哀願少女
ボボンッ!!
ようやく落ち着きを取り戻した私の顔がまたもや再沸騰。
……なんでまた赤くなるの~っ!?
再び必死になって頭の中の潤君を振り払う。
「あっ、あるわけないじゃんっ!」
「へ~……?その割には顔赤いけど?」
「うっ……!」
痛いところをつかれ思わず言葉につまる私。
「だ、だいたいなんであんた、潤君のこと知ってんのよ?」
「そりゃぁ水沢先輩っていやぁ、イケメンなのに全く気取らないってんで、男の間でも憧れの存在として有名だぜ」
「あ、憧れっ……!?」
なんとかして話題をそらそうとする私に、さも当たり前のような顔をして答える翔太。