泣き虫王子と哀願少女


―― お、落ち着かない……。



静かな図書室で二人きりで勉強(厳密に言えばそれ以外の生徒もちらほらいるのだが……)。


潤君ファンから見れば喉から手が出る程おいしいシチュエーションなのだろうが、潤君との噂や何やらで変に意識してしまっている私にとっては息が詰まることこの上ない。


ちょっと顔を上げればキレイな顔をした潤君の顔が間近にあるため、どうにも胸のドキドキが止まらなかった。



どうしよう……。これ以上もう我慢できない……。



緊張と静寂に耐えかねた私は、とりあえず思いついたことを口にしてみた。

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