アキと私〜茜色の約束〜

それに、小学校の頃、三人で言い合った夢。

“私はそんな二人を声が枯れるまで応援する”

ここにアキはいないけれど、アキは秋人と一緒にコートで戦ってるはずだから。

この声が、例え出なくなったとしても。
二人を応援するんだ。


本日、第一試合目。
さっそくうちの高校の出番だ。

コートに続々と選手が入場し、ウォーミングアップを始める。


「あれ?秋人は…?」


その中に、秋人の姿がなかった。

もしかして、昨日言ってた足が予想以上に早く動かなくなった、とか…?

急に不安に苛まれて、心臓がドッドッドッと小刻みに震える。

隅々まで見渡しても、やっぱりいない。


「秋人…」


ボソッと名前を呟いた時、マネージャーと一緒に秋人がコートの中に入ってくるのが見えた。

膝にサポーターをつけているけど、とりあえず歩き方はいつもと同じだ。



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