アキと私〜茜色の約束〜

それは見事なまでに整った綺麗なレイアップシュート。

「わあぁぁっ!」と会場が揺れる。
その声援に身体が震えた。

戻りながら仲間と軽くタッチを交わす秋人は、勇ましくて。
純粋にかっこいいって、思った。

足は今日も調子が良いみたいだ。


第一クォーターはお互い一歩も譲らず、28-25で終わった。

第二クォーター、うちの高校のメンバー交代はない。
代わったのは相手チームで、マンツーマンで秋人にディフェンスにつく選手だ。

背番号18のその選手は、スポーツマンにしては華奢な秋人に比べて、二回りぐらい体格がよく、身長差は推定15㎝以上。
2メートルはありそうだ。

秋人なんてその選手の背中にすっぽりと隠れてしまう。

バスケは身長が高ければ高いほど有利なスポーツ。
そんな選手が控えだなんて、相当選手層が厚いんだろう。


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