アキと私〜茜色の約束〜
大会が始まる前の予想で、うちの学校よりも遥かに期待されていた相手チーム。
うちが期待度Aランクだとすれば、向こうはSSランクだろう。
さすが優勝候補なだけある。
だけど、秋人だって、伊達にここまでチームを引っ張って来たわけじゃない。
小さい選手が大きい選手に勝るものーーー。
スピード。
足には自信がある秋人は、体格の差なんて気にもとめてない様子で、軽くディフデンスを翻弄し、第一クォーター同様に点数をどんどん稼いでいく。
凄い、凄い凄い‼︎
負けてない。
あんなに体格の差がある選手を、それを逆手にとって攻めていく。
上が駄目なら下から。
膝を曲げて重心を低くし、大きい選手の苦手な下から抜き去る。
時にはその大きな身体にスッと隠れ、ディフェンスが秋人の姿を見失って探してるうちにボールを貰う。
一歩遅れた大きい選手が、スピードに自信がある秋人に追いつくわけもなく。
どんどんと点差が開いていく。